ファイナルアンサー
#VLAD

何度出会っても思う
私は、この笑顔が大嫌いだ
「彼ら」が、この時に浮かべるその笑顔は
私にとって、常に「決別の証」であり
どんな別れの言葉よりも雄弁に
私の手を 静かに払いのける
#VLAD

何度出会っても思う
私は、この笑顔が大嫌いだ
「彼ら」が、この時に浮かべるその笑顔は
私にとって、常に「決別の証」であり
どんな別れの言葉よりも雄弁に
私の手を 静かに払いのける
楽園の記憶
#VLAD

きっと誰もが、脳裏の片隅に
蜃気楼のような『楽園』を持っているのだろう。
当時、『それ』とは気付きもしなかった
『楽園の記憶』が。
それが今も『お前』を押し進めている。
もはや後戻りが出来ない所まで
深く遠くに、な。
それこそが、
いや、それだけが
『お前』を『お前』たらしめる
唯一なのだろう。
俺にも『楽園の記憶』がある。
もうずっと昔に失ったあの『楽園』が
何度も何度も、俺を守った。
だから 『お前』の気持ちはよくわかる。
『楽園』を失った痛みも
そして取り戻したい気持ちもな。
だからこそ、一緒には行けない。
『お前』は『あいつ』を生贄にして
俺を修羅の道連れにしたかったんだろうが
生憎と、『あいつ』が俺に残した
この
何に代えても埋まらない空洞が
辛うじて 俺を人間にした。
『楽園』は永遠ではない。
いつかは失う。
そして蜃気楼のように漂うのだ。
俺の中にも、『お前』の中にも。
そしてそれは
焦土の果てにまで行ける
『杖』となってくれるが
それ以上は、望めない。
いいか。
何度 地獄の底を生み出しても
それ以上は
望めないのだ。
賢い『お前』には
もうずっと以前からわかっていたはずだ。
『お前』は
『失った楽園』を取り戻す事ではなく、
『次の楽園』を探すべきだった。
そうすれば…
・・・・・・・
いや、説教は止そう。
何せ『お前』に俺の声は、
『とうの昔』に届かなくなっているのだし、
それに
もうシルヴィアからも、
『同じ説教』を貰ったんだろう?
いや、シルヴィアだけじゃない。
きっと『お前』は『俺たち』に
何度も こう言われたはずだ。
『共に行けない』 と。
笑って はっきり
フラれただろう?
悪いな。
今回も、同じ答えだ。
出来る事なら
『お前』を殺すのは
俺の役目でありたかったが
残念なことに 『時間切れ』だ。
いつか
『お前』の息の根を止める者が
いつか、この世に降りてくることを
あの 深い花畑から
切に願っているぞ
我が友よ
畳む
#VLAD

きっと誰もが、脳裏の片隅に
蜃気楼のような『楽園』を持っているのだろう。
当時、『それ』とは気付きもしなかった
『楽園の記憶』が。
それが今も『お前』を押し進めている。
もはや後戻りが出来ない所まで
深く遠くに、な。
それこそが、
いや、それだけが
『お前』を『お前』たらしめる
唯一なのだろう。
俺にも『楽園の記憶』がある。
もうずっと昔に失ったあの『楽園』が
何度も何度も、俺を守った。
だから 『お前』の気持ちはよくわかる。
『楽園』を失った痛みも
そして取り戻したい気持ちもな。
だからこそ、一緒には行けない。
『お前』は『あいつ』を生贄にして
俺を修羅の道連れにしたかったんだろうが
生憎と、『あいつ』が俺に残した
この
何に代えても埋まらない空洞が
辛うじて 俺を人間にした。
『楽園』は永遠ではない。
いつかは失う。
そして蜃気楼のように漂うのだ。
俺の中にも、『お前』の中にも。
そしてそれは
焦土の果てにまで行ける
『杖』となってくれるが
それ以上は、望めない。
いいか。
何度 地獄の底を生み出しても
それ以上は
望めないのだ。
賢い『お前』には
もうずっと以前からわかっていたはずだ。
『お前』は
『失った楽園』を取り戻す事ではなく、
『次の楽園』を探すべきだった。
そうすれば…
・・・・・・・
いや、説教は止そう。
何せ『お前』に俺の声は、
『とうの昔』に届かなくなっているのだし、
それに
もうシルヴィアからも、
『同じ説教』を貰ったんだろう?
いや、シルヴィアだけじゃない。
きっと『お前』は『俺たち』に
何度も こう言われたはずだ。
『共に行けない』 と。
笑って はっきり
フラれただろう?
悪いな。
今回も、同じ答えだ。
出来る事なら
『お前』を殺すのは
俺の役目でありたかったが
残念なことに 『時間切れ』だ。
いつか
『お前』の息の根を止める者が
いつか、この世に降りてくることを
あの 深い花畑から
切に願っているぞ
我が友よ
畳む























天堕つる
#王と皇帝
今でも、電話は苦手だ。
「…殿下」
『・・・・・』
「ブラムド殿下」
『ん?…ああ、悪い。
もう下げていいぞ。』
「・・・・」
『さて…急いで本国に戻らないと…だな。
至急、手配を頼む』
「よろしいのですか?」
『何がだ?』
「本当に…お戻りになられるのですか?」
『・・・・・。』
「・・・・・・・・・・。」
『何を言っている…当り前だ。
俺の家だぞ?』
「…かしこまりました。」
『ふぅ…飛空艇の準備が整い次第、俺はすぐに発つ。
時間が無いから、細かい荷や使用人は後発の便で戻れ。
アドゥミラ公にはまだ…
いや、伏せておくのは難しいか。
あの方には先に、お伝えしておこう。
行くぞ』
「御意」
『なぁ、ビクター。』
「…なんだ?」
『近頃な、 ”葬式慣れ”してきている、冷静な自分がいてな。
…嫌になるよ。』
「気にするな。俺も似たようなものだ。」
『そうか。』
「慣れた方がラクになる事もある。
俺はそれを、悪い事だとは思わない。」
『…そうか。』
あの日のことは、よく覚えている
朝からずっと 母が泣いていたからだ
いつも穏やかに微笑んでいる母が
ひどく泣き叫んでいる姿を見るのは初めてで
祖父が母の隣に寄り添って
慰めている様子を眺めながら
僕は何も出来ずに、立ちすくんでいた
僕の存在に気付くと
母はますます悲しそうな顔をして
僕をぎゅっと抱きしめたまま、泣き続けた
僕はわけがわからないまま
ははうえ どうしたの
どこかいたいの?
だいじょうぶ?
ねぇ なかないで ははうえ
などと、言っていたような気がする
母は
どこも痛くないの
ただ 私のとても大切な人が
とても遠くにいってしまったの
とても とおくに いってしまったのよ
そう言って、ますます僕を強く抱きしめるので
ははうえ ぼくがいるよ
ぼくがずっと ははうえのそばにいる
ぜったい とおくにいかないよ
ね? だからなかないで
そうだ
僕はあの時、母に約束したのだった
絶対に 貴女を独りにしないと
なのに
・・・・・・・・
今思えば あの日から
僕の運命は狂いだした
---------------------------
バルムンク、崩御。
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