小話 2026/03/08 Sun 楽園の記憶 #VLAD きっと誰もが、脳裏の片隅に 蜃気楼のような『楽園』を持っているのだろう。 当時、『それ』とは気付きもしなかった 『楽園の記憶』が。 続きを読むそれが今も『お前』を押し進めている。 もはや後戻りが出来ない所まで 深く遠くに、な。 それこそが、 いや、それだけが 『お前』を『お前』たらしめる 唯一なのだろう。 俺にも『楽園の記憶』がある。 もうずっと昔に失ったあの『楽園』が 何度も何度も、俺を守った。 だから 『お前』の気持ちはよくわかる。 『楽園』を失った痛みも そして取り戻したい気持ちもな。 だからこそ、一緒には行けない。 『お前』は『あいつ』を生贄にして 俺を修羅の道連れにしたかったんだろうが 生憎と、『あいつ』が俺に残した この 何に代えても埋まらない空洞が 辛うじて 俺を人間にした。 『楽園』は永遠ではない。 いつかは失う。 そして蜃気楼のように漂うのだ。 俺の中にも、『お前』の中にも。 そしてそれは 焦土の果てにまで行ける 『杖』となってくれるが それ以上は、望めない。 いいか。 何度 地獄の底を生み出しても それ以上は 望めないのだ。 賢い『お前』には もうずっと以前からわかっていたはずだ。 『お前』は 『失った楽園』を取り戻す事ではなく、 『次の楽園』を探すべきだった。 そうすれば… ・・・・・・・ いや、説教は止そう。 何せ『お前』に俺の声は、 『とうの昔』に届かなくなっているのだし、 それに もうシルヴィアからも、 『同じ説教』を貰ったんだろう? いや、シルヴィアだけじゃない。 きっと『お前』は『俺たち』に 何度も こう言われたはずだ。 『共に行けない』 と。 笑って はっきり フラれただろう? 悪いな。 今回も、同じ答えだ。 出来る事なら 『お前』を殺すのは 俺の役目でありたかったが 残念なことに 『時間切れ』だ。 いつか 『お前』の息の根を止める者が いつか、この世に降りてくることを あの 深い花畑から 切に願っているぞ 我が友よ 畳む
#VLAD
きっと誰もが、脳裏の片隅に
蜃気楼のような『楽園』を持っているのだろう。
当時、『それ』とは気付きもしなかった
『楽園の記憶』が。
それが今も『お前』を押し進めている。
もはや後戻りが出来ない所まで
深く遠くに、な。
それこそが、
いや、それだけが
『お前』を『お前』たらしめる
唯一なのだろう。
俺にも『楽園の記憶』がある。
もうずっと昔に失ったあの『楽園』が
何度も何度も、俺を守った。
だから 『お前』の気持ちはよくわかる。
『楽園』を失った痛みも
そして取り戻したい気持ちもな。
だからこそ、一緒には行けない。
『お前』は『あいつ』を生贄にして
俺を修羅の道連れにしたかったんだろうが
生憎と、『あいつ』が俺に残した
この
何に代えても埋まらない空洞が
辛うじて 俺を人間にした。
『楽園』は永遠ではない。
いつかは失う。
そして蜃気楼のように漂うのだ。
俺の中にも、『お前』の中にも。
そしてそれは
焦土の果てにまで行ける
『杖』となってくれるが
それ以上は、望めない。
いいか。
何度 地獄の底を生み出しても
それ以上は
望めないのだ。
賢い『お前』には
もうずっと以前からわかっていたはずだ。
『お前』は
『失った楽園』を取り戻す事ではなく、
『次の楽園』を探すべきだった。
そうすれば…
・・・・・・・
いや、説教は止そう。
何せ『お前』に俺の声は、
『とうの昔』に届かなくなっているのだし、
それに
もうシルヴィアからも、
『同じ説教』を貰ったんだろう?
いや、シルヴィアだけじゃない。
きっと『お前』は『俺たち』に
何度も こう言われたはずだ。
『共に行けない』 と。
笑って はっきり
フラれただろう?
悪いな。
今回も、同じ答えだ。
出来る事なら
『お前』を殺すのは
俺の役目でありたかったが
残念なことに 『時間切れ』だ。
いつか
『お前』の息の根を止める者が
いつか、この世に降りてくることを
あの 深い花畑から
切に願っているぞ
我が友よ
畳む