MEMO

創作語りとかラクガキ

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【登場人物紹介ページ】

▼王と皇帝▼

ブラムド
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・オルテギア帝国第43代目皇帝。先帝の崩御により18歳で即位する。
・直系長子に現れるはずの【竜眼】が発現せず、
 代々皇帝が引き継ぐはずの【十王】が継承できなかったことに引け目を感じている。
・13歳の頃、国を出てとある魔法使いのもとで修業に明け暮れる日々を過ごす。
 その影響で王族にしては言葉遣いが粗野。
・即位後に現れた異母弟の事で頭を悩ませているが、根っからの兄気質なので
 悪態を付きつつも、甲斐甲斐しく世話を焼いている。
・かつてはドレイクの他にも異母弟妹が三人いたが、全員亡くなっている。



ドレイク
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・先帝の隠し子。ブラムドと12歳差の異母弟。
 6歳で初めて異母兄との対面を果たす。
・先帝と同じ【金の竜眼】を生まれながらに持ち、
 幼少期から【十王継承者】としての力の片鱗を見せるが
 本人は全く制御できていないので、よくトラブルを起こす。
・辺境の領地に匿われていたが、ある事件をきっかけに帝都に保護された。
 その際、事件の詳細を忘れており、故郷に置いてきた母親の安否を気にしている。
・年相応に活発なコミュ強おばけ。
 強面のブラムドにも怯まず、すぐ懐いた。



クロイツ
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・ブラムドの近習にして幼馴染。22歳。
・皇族近衛である【儀仗兵団】の隊員。
 皇帝直轄の一番隊(通称:親衛隊)に所属する腕利きの魔法使い。
・【十王継承者】となれなかった主君の立場を
 長年見て来ただけに、ドレイクに対する感情は複雑。
・ブラムドに対しては忠実だが、軍紀破りがかなり多い問題児。
 隊長クラスの人間すら手を焼いている。



ラギ
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・ドレイク専属の護衛兼毒見係として任命された親衛隊員。19歳。
・浮世離れしたところがあり、主君相手にもフランクに接してしまうため
 目付け役であるクロイツにしょっちゅうどつかれている。
・のほほんとしているが実力は折り紙付き。結界班顔負けの解析能力を持つ。



ワグテイル
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・ドレイク専属の護衛兼世話係。22歳。
・クロイツと同じくブラムドの幼馴染であり、
 今は亡きブラムドの妹姫・シルヴィアと親友だった。
 彼女の死後、クロイツと共にブラムドを支えることを誓う。


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▼案山子と騎士▽


ヴラド
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・案山子のような手足の長いクラウンを纏った魔法使い。自称19歳。
・大陸最大の魔境【グレイ・ドア】に封じられていたが、脱出。
 その際、自分が封じられていた理由を忘れてしまう。
・素顔は女性と見紛うほどの美形。だが本人はもう少し男らしい顔つきに憧れており、
 顔のことは褒められてもあんまりうれしくない。





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VLAD

2025年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

これからしばらくざっかざっかと
旧ブログから過去の創作ネタ放出(移設)祭りになると思いますが、
わかんなくていいです。雰囲気だけお楽しみください。
そのうち整理します、多分。
なんせ2013年からためてるからどえらい量で…。

降臨
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それは突如現れた

遥か天空の月より
一本の矢が放たれたが如く

紅き光が天から海へと墜ち
天地を揺るがす
轟音と閃光

そして時が止まったかのような静寂の後



それは、ゆっくりと立ち上がった



それは人のような形をしている
されど、人に非ず

頭上に輝く光の冠
竜族よりも巨大な体躯

燃え上がる炎を纏い
音も無く、言葉も無く
静かに佇むその姿は

地上に住まう全ての生物に
「不吉」な予感を撒き散らした


後に、
「炎の巨人」と呼ばれるそれは

当世の支配者たる竜族を
絶滅寸前まで追い込み

「竜王」の
命を賭した封印がかけられるまでの間


地上を焼き尽くしたのである

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創作

2025年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

宿り火
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いつしか、そう呼ばれるようになった

それは"炎を宿した者"という意味なのか
あるいは"意思を宿した炎"という意味なのか

創作

2025年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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2年ぐらいあたためていた創作。

極めて普通の少年タツヒコと、
自称「封印された魔王」キトの
デコボココンビのお話。

創作

2025年3月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

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※25.10.25 色塗加筆


ビフォアー
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バルムンクとクラウディアの話が脳内で渋滞起こしているので、何か描いていこうかと企み中。


ブラムドの母親ビジョンを一応作っとこうぐらいのノリで描いていたクラウディア女史、
大人しいお嬢さんかと思ったら物凄く勝手に動いてくれるので
割とさっぱりとした馴れ初めにする予定が
胃もたれするぐらい重くなりそうです。

武人一家の娘なので肝座ってる実直な気質。
樹木や森に神性を見出す【ドルイド】と呼ばれる神官のひとり。
とあるお役目から森を出て俗世間で生計を立てているが、還俗したわけではない。


神官らしく所作も口調もお淑やかだけど、たまに男前。本人も知らない間に周りから「お姉様」と呼ばれている。
根っからのお人好しなので余計なことに首を突っ込みがち。ブラムドの性格はこの母親に由来する所が多い。

幼少期にバルムンクに関わる事件に巻き込まれているが、生家の名誉に関わる事案なので本人にはあえて知らされていない。
結婚した後、バルムンクはこの件に関して時々追及を受けるがしらばっくれている。


バルムンクが当時を知る者以外で唯一、
イバとの思い出を語った相手。


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バルムンク

2025年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#掌の記憶
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懐かしい夢を見た。


幼い俺。

イバの白い手と、

綴られた文字。


-------------------------



『式番』を賜ったハーデインの騎士は、
己自身の名前を語らなくなる。

それは『式番』を持つことが、騎士にとって
至上の名誉ということもあるが、

『名前』を知られる事で、
『呪い』をかけられるのを避ける為でもあるそうだ。

誰から?

それは勿論、
俺たち『魔法使い』からに決まっている。

魔法使いが『真の名』を隠すため、
『語り名』を使うのと同じように。

騎士は名を『式番』に改めることによって
『名』を隠す。

長く同じ部隊に属する騎士同士ですら、
仲間の名を知らないことは珍しくないそうだ。

なので特に禁止されているワケでは無いが、
ハーディンの騎士に名前を訊ねるのは
『暗黙のタブー』となっている。



…が、俺がその事を知ったのは
だいぶの後の事で。



イバの名前を訊ねた事に深い意味は無かったし
教えてくれなければ
それはそれで別によかった。

イバの明らかに躊躇った様子も
「よっぽど変な名前なのか?」 と
能天気に考えたものだ。


だから、わからなかった。

イバが

あいつが

どんな気持ちで
俺に『名前』を教えてくれたのかを。



今でも鮮明に思い出す。


ペンすらまともに握れないイバが
俺の掌に
指で『名前』を綴った、あの日のことを。

正直、拍子抜けするほど普通の名前だったので
ついつい「隠すほどの名前か?」
と口が滑ってしまい
思いっきりゲンコツを食らったが。


・・・・・・。


イバの『名前』は、今でも俺だけが知っている。

俺は死ぬまで、その『名』を忘れることはないだろう。

だが、俺が死んだ後は?

俺自身は忘れられることに
特に抵抗はない。

死ねば所詮『無』になるし、
そもそも俺の場合は、立場上嫌でも
『存在』は後世に残るだろうから。


だが、イバは。


本当に、消えるように死んでいったあいつは


俺が死ねば、もう
誰も思い出すことはないだろう。


あいつの存在は、此処の連中にとっては『汚点』だ。

かつて此処にいた事も、

俺といた事も、

そして、死んでいったことも。


一切、無かった事にされる。



そう考えると、無性に腹が立った。


何故だろう。
以前からわかりきっていた事だろうに。


らしくないとは思いつつ、
苛立ちは収まってくれない。

きっとこれも
あいつの夢なんか見たせいだろう。

『満月』のせいで、
らしくもなく感傷的になっているからだ。

八つ当たりにも近い気持ちで
窓から見える月を睨みつけながら、
深く、長い溜息をついた。


その時、


「…ん」

『ん?』


隣で眠っている妻が身じろぎをしたので
起こしたかと思ったが、
その眼は開かれる事はなく、静かに寝息を立て続けている。

その腹はずいぶん大きく、見るからに寝苦しそうだ。

妻は毎日、その大きな腹を
愛おしそうに撫でたり、話しかけたりしているが


正直、俺には何の感慨も湧かない。


せいぜい世継ぎ跡継ぎとやかましいジジイ共が
やっと静かになると安堵するぐらいか。


クラウディアが望まなければ、
子供なんぞ作る気もなかったのだが。


人生とはわからないものだ。


イバが消えたあの日から、
もう誰かの側で眠ることは
二度と無いだろうと思っていたのに。


いや、そもそもイバがいなければ
俺はもっと早くに死んでいただろう。


それこそ彼女と出会う前に。


・・・・・・・


今でも、あいつが俺を護る。

だが俺が
あいつにしてやれることは、何もない。

何も、無いのだ。





「うーん・・・」




呻き声に思考を切られ、
隣を見遣ると、クラウディアが眉根を歪めていた。

見ると、彼女の腹部がぐねぐねと動いている。
腹の中の赤子が眼を覚まして
動き回っているのだろう。

それもかなり活発に。

何度かその様子を見た事はあるが、
何度見ても気持ちが悪い。


『…おい、母君を起こすな。寝ろ。』


うねる腹に手を添えながら小声で言うと、
中の生き物はピタッと動きを止めた。

意外と話が通じる生き物のようだが、
キモイ事には変わりない。

胎児の性差などよくわからんが
この暴れっぷりはおそらく男だろう。

男か…
自分に似ていない事を切に祈るのだが…

今から既にうんざりしている。


・・・・・・


ふと、

悪戯心が湧き上がった。


あと数カ月で生まれてくる『こいつ』は
間違いなく、俺が名付けをする事になるだろう。


『語り名』はもちろん、


『真の名』も。







イバの『名前』は、俺以外は誰も知らない。


由来なんぞ、わかるはずもない。


そう考えながら、俺はいつもの調子が
戻ってきたことを感じていた。


苛立ちはもう微塵も残ってはいない。


『くっくっくっくっ…』


妻が見たなら絶対に警戒して
後退りするような笑みを浮かべながら

俺は夜明けまで
もうひと眠りすることにした。

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くれない

#掌の記憶
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あたたかい


風も 日差しも


わたしを引き上げる あの人の手も


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思い出す様に見る夢


束の間の自由


幸福で 


あの時の日差しのような


あたたかな日々


あの日 あの手をとったこと


今でも後悔はしていません


もう二度と戻らない日々だとしても


あの頃のあたたかさが 私を生かしてくれる


もう十分


宝物は もう十分 頂きました


やさしいお父様 お母様


あたたかい 雨のようだったあの子


私の宝物


ありがとう


そして


ごめんなさい



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王と皇帝

#掌の記憶
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あの大きな手で頭を撫でられるのが好きだった

 
守られていると安心できて


この手の持ち主と同じように


強くなりたいと勇気が出た


--------------------------

 

あの小さな頭を撫でるのが好きだった

 

髪がぐしゃぐしゃになるまで撫でまわすと

 

小さな弟は いつも

 

弾けるように笑っていた

王と皇帝

#掌の記憶
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だからお願い

約束して

私がいなくなった後も


 兄様を守るって



『約束』を交わした 6日後の朝

彼女は静かに息を引き取った


それから何年 時が経っても

あの日の『指きり』の感触が


未だに私を奮い立たせ

未だに 私の心を引き裂きにくるのだ


王と皇帝