小話 2026/03/15 Sun 「…それでまんまと騙されて、 ノコノコやってきたわけですか…。 子供の嘘も見抜けぬ隊長とは… 兵団の将来が楽しみですな?団長。」 「あはははっ! いや~、でも実際よく出来た嘘だよ 僕でも騙されちゃうかも~。」 「・・・・・面目次第もございません。」 -同時刻- 儀仗兵団 団長室 日陰の子供たち~幕間~ #王と皇帝 続きを読む 「大体少し考えればわかることでは? 秘密裏であれば使い魔や秘匿回線を使えば 済む事。わざわざ人づてに頼む意味が わかりません。」 「・・・・・・仰るとおりです。」 「まぁまぁ、 ユアンもそう若者をいじめちゃだめだよ。 お茶をもう一杯どうだい?ミハ。」 「は、いただきます・・・・。」 「それにしても面白い子だね~。 ビクター・クロイツ君…って言ったっけ? どこの子だい?」 「…噂では、中央でも有数の名家の 生まれだそうですが、 私生児なので家の名を名乗れないそうです。 ですが、稀有な魔法の才能があるようで 宰相様が引き取って 直々に鍛えておられるのだとか。 〝クロイツ〝という苗字は 宰相様が与えた仮初の名です。」 「ああ!彼が噂の! 【宰相様の虎の子】か~ いや~末恐ろしいね~。」 「全くですな。どこぞのポンコツ隊長より よっぽど有能そうですが。」 「・・・練兵場に行って参ります。」 「おや、これからかい? 精が出るね~」 「それがいい。そのなまくら精神を 少しでも叩き直してきたまえ。」 「こらこら、ユアーン?」 「失礼致します・・・・・。 お茶、ご馳走様でした・・・。」 -パタン- 「いや~、 可哀そうなくらいヘコんでたね~。」 「当然でしょう。 子供の手玉に取られたのですから。 それで、どこまでお話ししましたかな?」 「え~と、たしかちょうど ミハの【適性】についてだったけど⋯ う~ん、君はやっぱり反対かい?」 「いえ…あと数年の経験は必要でしょうが、 あの実力と、兵団内での彼の人望を考えれば 【団長】としての適性は十分にあるでしょう。 難点をあげるとするなら 陛下や殿下の事が絡むと 著しく冷静さを欠くことでしょうか。 ちょうど今まさに、証明されましたが」 「うーん、ミハはね~、 ここに来た経緯も育ちも特殊だからね~。 陛下に心酔してるのも しょうがないといえばしょうがないこと なんだけどさ~」 「しかしそれが彼の強さにもなりますが、 弱点にもなりえます。」 「となると…」 「ええ。 【剣】には、できません。」 「ん~~~~~~~ そっか~~~~~~~~~~ ミハは僕の一押しなんだけどなぁ~~~~」 「あれは人がよすぎます。 【剣】の役は酷でしょう。 自分にも他人にも非情になれる強さが 無ければあっという間に折れてしまう。 【剣】は、折れては駄目なのです。」 「・・・・・・・そうだね。」 「ところで団長。 ひとつ、ご相談が。」 「ん?なんだい?」 「先ほど出てきた少年従士ですが…」 「クロイツ君のことかい?」 「ええ。 彼はたしか今、二番隊の従士ですが… しばらく五番隊に配属して頂けませんか?」 「……【適性】を見る気かい?」 「はい」 「危険じゃないかなー… 宰相閣下の息がかかってるかもしれないよ?」 「それを見極めるためにも、 近くでの観察が必要なのですよ。 【処分】の必要が、あるかどうかも。」 「…わかった、手配するよ。 でもくれぐれも宰相閣下には こちらの意図を悟られないようにね。」 「心得ております。」 畳む
ノコノコやってきたわけですか…。
子供の嘘も見抜けぬ隊長とは…
兵団の将来が楽しみですな?団長。」
「あはははっ!
いや~、でも実際よく出来た嘘だよ
僕でも騙されちゃうかも~。」
「・・・・・面目次第もございません。」
-同時刻-
儀仗兵団 団長室
日陰の子供たち~幕間~
#王と皇帝
「大体少し考えればわかることでは?
秘密裏であれば使い魔や秘匿回線を使えば
済む事。わざわざ人づてに頼む意味が
わかりません。」
「・・・・・・仰るとおりです。」
「まぁまぁ、
ユアンもそう若者をいじめちゃだめだよ。
お茶をもう一杯どうだい?ミハ。」
「は、いただきます・・・・。」
「それにしても面白い子だね~。
ビクター・クロイツ君…って言ったっけ?
どこの子だい?」
「…噂では、中央でも有数の名家の
生まれだそうですが、
私生児なので家の名を名乗れないそうです。
ですが、稀有な魔法の才能があるようで
宰相様が引き取って
直々に鍛えておられるのだとか。
〝クロイツ〝という苗字は
宰相様が与えた仮初の名です。」
「ああ!彼が噂の!
【宰相様の虎の子】か~
いや~末恐ろしいね~。」
「全くですな。どこぞのポンコツ隊長より
よっぽど有能そうですが。」
「・・・練兵場に行って参ります。」
「おや、これからかい?
精が出るね~」
「それがいい。そのなまくら精神を
少しでも叩き直してきたまえ。」
「こらこら、ユアーン?」
「失礼致します・・・・・。
お茶、ご馳走様でした・・・。」
-パタン-
「いや~、
可哀そうなくらいヘコんでたね~。」
「当然でしょう。
子供の手玉に取られたのですから。
それで、どこまでお話ししましたかな?」
「え~と、たしかちょうど
ミハの【適性】についてだったけど⋯
う~ん、君はやっぱり反対かい?」
「いえ…あと数年の経験は必要でしょうが、
あの実力と、兵団内での彼の人望を考えれば
【団長】としての適性は十分にあるでしょう。
難点をあげるとするなら
陛下や殿下の事が絡むと
著しく冷静さを欠くことでしょうか。
ちょうど今まさに、証明されましたが」
「うーん、ミハはね~、
ここに来た経緯も育ちも特殊だからね~。
陛下に心酔してるのも
しょうがないといえばしょうがないこと
なんだけどさ~」
「しかしそれが彼の強さにもなりますが、
弱点にもなりえます。」
「となると…」
「ええ。
【剣】には、できません。」
「ん~~~~~~~
そっか~~~~~~~~~~
ミハは僕の一押しなんだけどなぁ~~~~」
「あれは人がよすぎます。
【剣】の役は酷でしょう。
自分にも他人にも非情になれる強さが
無ければあっという間に折れてしまう。
【剣】は、折れては駄目なのです。」
「・・・・・・・そうだね。」
「ところで団長。
ひとつ、ご相談が。」
「ん?なんだい?」
「先ほど出てきた少年従士ですが…」
「クロイツ君のことかい?」
「ええ。
彼はたしか今、二番隊の従士ですが…
しばらく五番隊に配属して頂けませんか?」
「……【適性】を見る気かい?」
「はい」
「危険じゃないかなー…
宰相閣下の息がかかってるかもしれないよ?」
「それを見極めるためにも、
近くでの観察が必要なのですよ。
【処分】の必要が、あるかどうかも。」
「…わかった、手配するよ。
でもくれぐれも宰相閣下には
こちらの意図を悟られないようにね。」
「心得ております。」
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