MEMO

創作語りとかラクガキ

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No.34

#記録と記憶
記録と記憶③
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「くはははは!
 よくやったブラムド。
 初めてにしては上出来だ。」

『・・・・・・!』(ゴクリ)

「ん?
 なんだお前、びびってんのか?」

『べ…べつに!
 こわくないもん!』

「おう、そうかい。
 さすが俺の息子だなぁ。
 なら隠れてないで
 ご挨拶してやれよ、ほれ。」

『わっ!ちちうえ!』

「ほら、しゃんとしろ。
 舐められるぞ。
 ちゃんと【コイツ】の眼を見て
 しっかり覚え込ませるんだ。
 だれが【主人】なのか、な。」

『~~~~。』
((((´・ω・`;)

「心配するな。
 ちゃんと上手くいってる。
 【コイツ】はお前に忠実な【下僕】となった。
 お前に危害を加えることは出来ない。」

『しもべ?』

「お前の言うことをなんでも聞く
 召使いってことだ。
 まぁ色々教えてやれよ。
 はじめての【使い魔】だぞ。」

『ふーん…?
 あ!ねぇ、ちちうえ!
 ルヴィにも見せたい!
 見せていい?』

「あーーー…。
 いや、ブラムド。
 シルヴィアに見せるのは、だめだ。」

『え~?なんで?』

「おいおい、俺が最初に言った事を
 もう忘れたのか?
 いいか、もう一度だけ言うぞ。
 今日、ここでの出来事は
 ルヴィにも、母上にも、
 誰にも言ってはいけない秘密だ。

 特に、特にだぞ?

 マクスウェルには
 絶っっっっっっっ対に
 言っては駄目だ。

 …わかるな?
 俺と、お前だけの
 秘密だ。」

『・・・マクスウェルに、おこられる?』

「怒られる。
 絶対に、怒られる。」


『…じゃあ、ひみつにする・・・。』

「よしよし。
 いい子だなぁ、お前は♪」


あの日の事は、よく覚えている。


珍しく父親にかまってもらえた
嬉しさもあって

幼い俺は、
ホイホイと親父の
『言う通りに』した。

ちちうえがいるから、だいじょうぶだ。

あの頃の俺は、
親父を信じて疑わなかった。

後に魔法を学んでいく内に

当時の俺が、どれほど『 危険な事をしたか 』
わかった時は戦慄したものだ。

なぜ親父はあの時
俺に『 あんなこと 』をさせたのかは
わからない。

ただの好奇心だろうか。

それとも、なにか目的があったのだろうか。

今ではもう、確かめようがない。

・・・・・・・・・・。

『あの日』のことは
いまだに、誰にも言っていない。






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