創作 2025/01/12 Sun 悪夢と声 #王と皇帝 - SIDE A - 誰かが ぼくを 狭くて暗い場所へ 押しこめる ぼくは 出して と叫ぶけれど 誰かは手を 差し伸べてはくれない ただ ぼくに 何かを言っている でも ぼくはこわくて さびしくて 必死に出ようと 腕を伸ばす 最後に 蓋がとじられて ぼくの世界はまっくらになる そこでいつも 目が覚めるんだ 続きを読む- SIDE B - ああ 神様 なんということだ なんだ なにがいけなかった あの娘に あの娘に何の罪があったというのだ どうして どうしてなんだ ああだめだ 考えるな 走れ とにかく 今は走るんだ ここだ たしかここにあったはずだ 古い水路 わたしが子供の頃 よく通った 湖に通じる 枯れた水路が 大人はとても入れない でも この子だけならきっと 進めるはずだ ああ かわいそうに 泣かないでおくれ すまない どうか許してほしい お前にひどい嘘を言う 母上はもう先に行った おまえも早く行きなさい 湖へ出たら いいかい? フクロウの像で待つんだ そこから決して 動いてはいけないよ 少し遅れるが 私も必ずあとで行く だから早く行きなさい わたしは これから死ぬだろう 中央からの助けは おそらく 間に合わない もうお前とはお別れだが どうか どうか生き延びておくれ そして 出来る事なら 今日と言う 悪夢のような日を 永久に 忘れ去りなさい 畳む
#王と皇帝
- SIDE A -
誰かが ぼくを
狭くて暗い場所へ 押しこめる
ぼくは 出して と叫ぶけれど
誰かは手を 差し伸べてはくれない
ただ ぼくに 何かを言っている
でも ぼくはこわくて
さびしくて
必死に出ようと 腕を伸ばす
最後に 蓋がとじられて
ぼくの世界はまっくらになる
そこでいつも 目が覚めるんだ
- SIDE B -
ああ 神様
なんということだ
なんだ なにがいけなかった
あの娘に
あの娘に何の罪があったというのだ
どうして どうしてなんだ
ああだめだ 考えるな
走れ
とにかく 今は走るんだ
ここだ
たしかここにあったはずだ
古い水路
わたしが子供の頃 よく通った
湖に通じる 枯れた水路が
大人はとても入れない
でも この子だけならきっと
進めるはずだ
ああ かわいそうに
泣かないでおくれ
すまない どうか許してほしい
お前にひどい嘘を言う
母上はもう先に行った
おまえも早く行きなさい
湖へ出たら いいかい?
フクロウの像で待つんだ
そこから決して 動いてはいけないよ
少し遅れるが 私も必ずあとで行く
だから早く行きなさい
わたしは これから死ぬだろう
中央からの助けは
おそらく 間に合わない
もうお前とはお別れだが
どうか
どうか生き延びておくれ
そして 出来る事なら
今日と言う 悪夢のような日を
永久に 忘れ去りなさい
畳む