カテゴリ「無題」の投稿[2件]
これからしばらくざっかざっかと
旧ブログから過去の創作ネタ放出(移設)祭りになると思いますが、
順不同のごちゃみそなのでわかんなくていいです。雰囲気だけお楽しみください。
そのうち整理します。
なんせ2013年からためてるからどえらい量やで…。
旧ブログから過去の創作ネタ放出(移設)祭りになると思いますが、
順不同のごちゃみそなのでわかんなくていいです。雰囲気だけお楽しみください。
そのうち整理します。
なんせ2013年からためてるからどえらい量やで…。
俺自身は全く覚えていないのだが
小さい頃の俺は、
随分と手のかかる
いたずら小僧だったらしい。
特に2~3歳の頃はひとり遊びすることが多く
広大な城の中を、供も付けず一人で
勝手に歩き回るので
目を離すとすぐに姿を消してしまう俺を
母上や侍女たちはひどく心配したそうだ。
しかし、
ケロッとした様子で戻ってくる俺の行動に
周囲もその内慣れていったという。
俺が『ひとり散歩』からご機嫌で戻ってきた後は、
城内のあちこちでいたずらの痕跡が見つかる。
特に多かったのは落書きだったそうだ。
お気に入りの落書き道具はチョーク。
どうやら親父の研究室から拝借したらしい。
壁や床は格好の獲物で、
中には『なんでこんな所に?』というような
明らかに手の届かない場所や、
普段は立ち入ることはないような場所にまで描いていたらしく
城内のミステリーになっていたとか。
しかし、こんな話をいくら聞かされても
俺は幼い頃、絵を描いていた記憶が無い。
お気に入りだった紫色の猫のぬいぐるみ。
よく遊んでいた積み木の感触。
ボールの色。
幼い頃に触れた玩具の記憶は
今でもおぼろげに残っているのに
どんな絵を描いていたのか
なにを描くのが好きだったのか
俺は、何も覚えていない。
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「それは何を描いているんだ?ブラムド」
~side B~
中庭の石畳に座り込み、
きょとんとした顔でこちらを見上げた息子は
『んー?』と言って首を傾げた。
落書きの現場を発見されたにも関わらず
怒られるとは微塵も思っていない様子だ。
まぁ別に咎める気も無いが。
こいつは今年3歳になったばかりだが、まぁよく動き回る。
一秒でも停止していない。
そんなチビ猿が大人しくなるのが、
こうやって何かを描いている時だ。
話には聞いていたが
なるほど
随分と奇妙な絵を描く。
妻が心配するわけだ。
こういう時期の子供は
大抵身近な人物や物、
好きな動物や絵本のキャラクターを描くことが多い。
少なくとも、見た事があるものしか描けないはずだ。
生まれて数年足らずのこいつが、
これまで見てきたものなど高が知れている。
にもかかわらず。
こいつは城内では見ることは
有り得ないであろうものを、よく描く。
そう語るミハの表情は、常に不安そうに陰っていた。
しかし、所詮は子供の落書き。
さほど気には留めていなかった。
が。
「…確かにこれは不安にもなるな。」
落書きを眺めながら、ぼそっと呟いた俺の言葉に
ようやく話す気になったらしい息子は
舌足らずな高い声で、喋り始めた。
「あのね~。
これはおじいちゃんで~
あっちはおねえちゃんと~
おねえちゃんのおにいちゃん。
でもね、こっちはあかちゃん!
だからあいにくるんだよ!」
「そうか。」
うむ、予想通り
何言ってるのかひとつも理解できねぇ。
「ぐるぐるしてて~おててつなぐの。
ぼくね!まんなかのやく!
ずっとまんなかにいたの!えらいでしょ!」
「ほう。」
なんか、普段使ってない部分の
脳みそ使うな。この会話。
「でもね~いまはまんなか、だれもいないの。
だれかいないとこまるんだよ。
こまったね?」
俺がいま困っている。
「…誰かがいないとなんで困るんだ?」
言った瞬間、訊かなきゃよかったと心底後悔した。
また支離滅裂なトークが始まるに違いないというのに。
するとこいつは怒った様子で訴えた。
「こまるよ!ちちうえもこまるでしょ!」
知らねぇよ。
あまりに意味不明な話に思わず吹き出すと、
ますます怒り心頭になったらしい息子は、
俺のマントをひっつかみながら
キィキィと喚きだした。
「も~ばかー! ちちうえのばかー!」
「なんでお前に馬鹿呼ばわりされなきゃならんのだ?ん?」
足元で騒ぐ小人を肩に担ぎあげると、
小さな暴君は途端に大人しくなった。
肩車すれば大抵のご機嫌は直るので、ちょろいものである。
俺の頭上ではまだ『こまるのに・・・』
とぶつくさ言っているが
ぷらぷらと嬉し気に揺れている足が
怒りが治まったことを物語っている。
風が冷えてきた。
中庭にも西日が差し込み、
昼と夜の狭間が出来ている。
「もう戻るぞ。
お前が熱を出すと、またうるさく言われるからな。」
反発の声は降ってこないので、返事を待たずに歩き始めた。
うとうとし始めているのかもしれない。
首の後ろがやけに温い。
この待望の世継ぎに対して、
周囲は過保護っぷりは呆れるほどだ。
元々子供好きなミハはまぁわかるとして、
あのマクスウェルでさえ
こいつに対しては随分と対応が甘い。
相変わらずニコリともしないのだが。
だからまたいつもの過剰な心配だと思っていた。
だから実際に様子を見に行くこともしなかった。
しかし。
「これはすぐに消させた方がよさそうだな…。」
妻の、クラウディアの目に入る前に。
中庭の石畳、全てを埋め尽くすように描かれた
おびただしい数の
息子の『落書き』を。
畳む