MEMO

創作語りとかラクガキ

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No.68

主と下僕と友と友
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気が付けば 少年は泣いていた

斬り捨てている敵への情けなど、微塵も無い

だが斬っても斬っても現れる その敵兵の多さに

友の死を望む者の多さに

怒り

悲しみ

そして、

この中へ独り、身を投じていった
友の絶望を思った

その思いに気付かなかった
己の無能さを嘆いた

少年は泣きながら剣を振るう

血を浴びながら友を想う

ただ突き進み
斬り拓き
まっすぐと
友が待つ場所へ

その魂に狂気を纏いながら 

少年は疾った。



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VLAD