MEMO

創作語りとかラクガキ

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#掌の記憶
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あたたかい


風も 日差しも


わたしを引き上げる あの人の手も


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思い出す様に見る夢


束の間の自由


幸福で 


あの時の日差しのような


あたたかな日々


あの日 あの手をとったこと


今でも後悔はしていません


もう二度と戻らない日々だとしても


あの頃のあたたかさが 私を生かしてくれる


もう十分


宝物は もう十分 頂きました


やさしいお父様 お母様


あたたかい 雨のようだったあの子


私の宝物


ありがとう


そして


ごめんなさい



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王と皇帝

#掌の記憶
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あの大きな手で頭を撫でられるのが好きだった

 
守られていると安心できて


この手の持ち主と同じように


強くなりたいと勇気が出た


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あの小さな頭を撫でるのが好きだった

 

髪がぐしゃぐしゃになるまで撫でまわすと

 

小さな弟は いつも

 

弾けるように笑っていた

王と皇帝

#掌の記憶
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だからお願い

約束して

私がいなくなった後も


 兄様を守るって



『約束』を交わした 6日後の朝

彼女は静かに息を引き取った


それから何年 時が経っても

あの日の『指きり』の感触が


未だに私を奮い立たせ

未だに 私の心を引き裂きにくるのだ


王と皇帝

#掌の記憶
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わたしにとって 世界は

怖いことや 悲しいことばかりがやってきて

そんな世界を見たくないから

なるべく 下ばかりを見つめ

歩いていた


顔を覆った 長い髪は

わたしと 世界を隔てるお守り

おそろしいものを遮る 結界


その隙間から見える世界に

なんの光も なかったはずなのに


今は確かに


光が見えた

VLAD

#掌の記憶

「ったぁ!あ~、うぅ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

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『クラウディア様』


「何でしょうか」


『陛下がああやって

 ”小さい前習え”をしたまま、

 かれこれ5分以上経過しようとしているのですが。』


「そうですねぇ、

 未知との遭遇に思いのほか手間取っていますねぇ」


 『そろそろ助け舟を出して差し上げてもよろしいでしょうか?』

 

「駄目ですよ。賭けの約束なんですから」


『しかし、このままでは日が暮れてしまいますが。

  また手の角度だけ変えてフリーズしましたし。』


「一体何の入射角を測っているのでしょうねぇ」


「・・・クラウディアさん。」


「はい。

 なんでございましょう、陛下?」

 

「俺が悪かったので許してもらえませんか?」

 

「ええ勿論ですわ、陛下。

  その子を抱っこして頂ければわたくし、全て許します。」

 

「・・・・・・・・」


 『…では私は仕事が残っておりますので、これにて。』

 

「おい待て見捨てるなマクスウェル。

 アル!アルガン!」


「往生際が悪いですよ、”お父様”?

 早くしていただけますか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」



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王と皇帝

悪夢と声

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- SIDE A -


誰かが ぼくを

狭くて暗い場所へ 押しこめる

ぼくは 出して と叫ぶけれど

誰かは手を 差し伸べてはくれない

ただ ぼくに 何かを言っている

でも ぼくはこわくて

さびしくて

必死に出ようと 腕を伸ばす

最後に 蓋がとじられて

ぼくの世界はまっくらになる


そこでいつも 目が覚めるんだ





- SIDE B -




ああ 神様



ああ なんということだ


 

なんだ なにがいけなかった



あの娘に



あの娘に何の罪があったというのだ



どうして どうしてなんだ



ああだめだ 考えるな



走れ



とにかく 今は走るんだ



ここだ


たしかここにあったはずだ


古い水路


わたしが子供の頃 よく通った


湖に通じる 枯れた水路が



大人はとても入れない


でも  この子だけならきっと

 

進めるはずだ



ああ かわいそうに

泣かないでおくれ


すまない どうか許してほしい


お前にひどい嘘を言う


 ----母上はもう先に行った

 おまえも早く行きなさい


----湖へ出たら いいかい?

 フクロウの像で待つんだ

 そこから決して 動いてはいけないよ


 ----少し遅れるが 私も必ずあとで行く

 だから早く行きなさい



わたしは これから死ぬだろう



中央からの助けは


おそらく 間に合わない



もうお前とはお別れだが


どうか 


どうか生き延びておくれ



そして 出来る事なら



今日と言う 悪夢のような日を



永久に 忘れ去りなさい





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王と皇帝,ドレイク

#設定
【咎人 トガビト】

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・【呪い】を受けた者の末路の姿。

・咎人は人であった頃の名前を忘れているので、
  契約者から便宜上、仮の名前を貰う。

・バルムンクは、
 中央に大きな一つ目を持つ咎人を『ヤナギ』
 左右に四つずつ目を持つ咎人を『タチバナ』と呼んでいた。





・魔獣を殺すとその血肉に宿った
 大量の【妖素】を浴び、【妖素中毒死】する。
 これを『呪いで死ぬ=呪死』といわれる。


・しかし、ある【特殊な魔獣】を殺してしまうと
 『呪死』では済まされない、強力な呪いにかかることになる。


・【特殊な魔獣】とは、
 【魔境】の深部に住む上位魔獣のことで、

  【守り人】
  【番人】
  【狩人】
 この上位三席の魔獣種を差す。


・特に【守り人】は、【魔境の主】とも言われ
 大魔境の深部に必ず一体ずつ存在し、
 魔境内の魔獣全ての長であるといわれている。


・その【守り人】への殺傷は、
 ドラグーンにとってもハーディンにとっても
 【最大の禁忌】とされ、
 【絶対に傷つけてはいけない魔獣】として交戦を禁じている。


・【守り人】を殺害してしまうと、
 【守り人】に内包された恐ろしい濃度の妖素が溢れ出し、
 新たな魔境がひとつ生まれると言われている。


・さらに、直接【守り人】に手を下した者には、
 異形の者に変化してしまうという【呪い】が降りかかる。

 そうして異形に変化してしまった者は
 【咎人】と呼ばれる。




・【守り人】を殺し、【咎人】となった人間は
 おぞましい醜悪な姿へと変貌する。例外は無い。

・眠ることも食べることも必要となくなり、
 【呪い】が解かれるその日まで
 永久に近い時を生きる運命にある。


・そして【咎人】となった者にとって、最大の苦痛となるのが
 人であった頃の知性を、そのまま有し続けることである。


・ 死ぬことも、正気を失うことも出来ない【咎人】は
 【呪い】の代償として得た膨大な魔法の知識と魔力を
 時の権力者・あるいは優秀な魔法使いたちに提供することによって
 【呪い】を解く者が現れるのを待ち続けている。


・【咎人】はその醜悪な姿と、底なしの魔力を有することから
 うってつけの戦争兵器であった。


・その為、過去の戦争にも多くの国が【咎人】を投入したが
 【咎人】の力を利用するだけで 【呪い】を解く技量無し、
 と判断された国は 逆に【咎人】によって滅ぼされた。


・【咎人】と契約出来れば強力な助っ人となるが、
 信頼を失えば破滅が待っている。
 そのリスクの高さから次第に
 【咎人】を使役する魔法使いはいなくなっていった。


・ 近年では、もたらされる災厄の大きさから
 【咎人】との契約は国際法で禁止となっている。

・ 【咎人】は、【十王】や【鬼神】の力をもってすれば
  殺害できることが実証されている。
 しかし、【咎人】が葬られた場は強力な瘴気を残し、
 【魔境】へと変貌する。


・【咎人】は、【呪い】から解放されると 瘴気を残すことなく、
 光となって消滅する。


・ しかし過去の歴史をさかのぼっても、
 【呪い】を解くことに成功した魔法使いはわずかである。


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王と皇帝