No.85, No.77, No.73, No.72, No.70, No.68, No.67[7件]
			
			東の参雄

あんな化け物相手では、命がいくつあっても足りない。
50年近く経った今でも、背筋が凍りつくような記憶だ。
--------------------------------
わしがまだ駆け出しの兵士だった頃、 東国の悪魔たちと戦争した。
極東の国・ヒムカは当時、鎖国状態で
【鬼人(キビト)】と呼ばれる民族が暮していること。
その民族はその名の通り、【鬼】の力を持った者たちであること。
などと聞いていたが、同時にとても原始的な暮らし、
電気すらないような文明だとも聞いておった。
そんな連中相手なら、圧勝できると。
一方的な戦いになると、誰もが思っておった。
結果的に、
戦いは一方的なもので幕を閉じた。
わしらの完全敗北、という形でな。
小国へ侵攻するには大袈裟すぎる、
とまで揶揄された大空挺団が
たった三人の鬼人によって、一夜で壊滅状態となった。
その時わしには、何が起こったのかわからんかった。
さっきまで目の前で談笑していた友の姿はどこにもなく、
ただ突如襲い掛かった
轟音と爆発
衝撃と熱に翻弄され
気付けば全身の痛みと共に、瓦礫に横たわっていた。
その時見たのだ。
炎の中に佇む、三つの影を。
そのうちの一つは、まるで子供のような体躯だったが
三つの中で、最も恐ろしい気配を放っていた。
そして何気なく、
こちらを振り向いたかと思えば
奴は
数ある死体の山から一点、わしの眼だけを見ていた。
蛇に睨まれた蛙とは、正にあのことよ。
わしは死を覚悟した。
しかし奴は、
傍にいる仲間からすら隠れるように
口の動きだけで、わしに語りかけてきた。
わしには読唇術の心得はなかったが、
不思議なことに、奴が語る言葉は
流れるように理解できた。
静かに お若い方
そのまま 死体のように眠っていなさい
ご安心を
貴方は生かして帰してあげます
そのかわり 伝えてもらえますか
貴方のお国の方々に
この惨状と 貴方が体験した恐怖
我々と 【戦う】 という事が
一体どういうことなのかを
全身の震えと、冷汗が止まらなかった。
まるで耳元で囁かれるかのように、
奴の言葉は静かで、重みと、殺気が込められていた。
ここで遭ったことを しっかり刻んで
お家へ帰るのですよ
もうこの地へは
来てはいけない
あんな化け物相手では、命がいくつあっても足りない。
50年近く経った今でも、背筋が凍りつくような記憶だ。
畳む
		
	
あんな化け物相手では、命がいくつあっても足りない。
50年近く経った今でも、背筋が凍りつくような記憶だ。
--------------------------------
わしがまだ駆け出しの兵士だった頃、 東国の悪魔たちと戦争した。
極東の国・ヒムカは当時、鎖国状態で
【鬼人(キビト)】と呼ばれる民族が暮していること。
その民族はその名の通り、【鬼】の力を持った者たちであること。
などと聞いていたが、同時にとても原始的な暮らし、
電気すらないような文明だとも聞いておった。
そんな連中相手なら、圧勝できると。
一方的な戦いになると、誰もが思っておった。
結果的に、
戦いは一方的なもので幕を閉じた。
わしらの完全敗北、という形でな。
小国へ侵攻するには大袈裟すぎる、
とまで揶揄された大空挺団が
たった三人の鬼人によって、一夜で壊滅状態となった。
その時わしには、何が起こったのかわからんかった。
さっきまで目の前で談笑していた友の姿はどこにもなく、
ただ突如襲い掛かった
轟音と爆発
衝撃と熱に翻弄され
気付けば全身の痛みと共に、瓦礫に横たわっていた。
その時見たのだ。
炎の中に佇む、三つの影を。
そのうちの一つは、まるで子供のような体躯だったが
三つの中で、最も恐ろしい気配を放っていた。
そして何気なく、
こちらを振り向いたかと思えば
奴は
数ある死体の山から一点、わしの眼だけを見ていた。
蛇に睨まれた蛙とは、正にあのことよ。
わしは死を覚悟した。
しかし奴は、
傍にいる仲間からすら隠れるように
口の動きだけで、わしに語りかけてきた。
わしには読唇術の心得はなかったが、
不思議なことに、奴が語る言葉は
流れるように理解できた。
静かに お若い方
そのまま 死体のように眠っていなさい
ご安心を
貴方は生かして帰してあげます
そのかわり 伝えてもらえますか
貴方のお国の方々に
この惨状と 貴方が体験した恐怖
我々と 【戦う】 という事が
一体どういうことなのかを
全身の震えと、冷汗が止まらなかった。
まるで耳元で囁かれるかのように、
奴の言葉は静かで、重みと、殺気が込められていた。
ここで遭ったことを しっかり刻んで
お家へ帰るのですよ
もうこの地へは
来てはいけない
あんな化け物相手では、命がいくつあっても足りない。
50年近く経った今でも、背筋が凍りつくような記憶だ。
畳む
			
			対岸のふたり

そして、二人以外に
動くものの気配は無くなった。
銃声の余韻も消え去り
沈黙が落ちる瞬間、
二人は同時に振り返った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
互いに得物を向け合ったまま、数秒睨み合ったのち
最初に口を開いたのは、ヴラドの方だった。
「おたくも頑張るねぇ。
そんな簡易法具で魔境の深部までおつかいとは。
妖素中毒になる前に引き返した方がいいぞ?」
「生身姿の貴様に言われたくはない。
そもそも何故ここいる?
行く先々で現れて、鬱陶しい事この上ない。」
「ご挨拶だな、助太刀してやったのに。」
「頼んでいない。必要もなかった。」
「ま、たしかに。」
強がりではない。
それは周りに転がっている死体の数を見れば明らかだった。
ヴラドが参戦した時には、既にこの半数を
彼女は一人で倒し終えていたのだ。
「相変わらず勇ましい事で」
賞賛とも皮肉とも取れるようなヴラドの言葉を聞き流しつつ、
カミーユは剣を収めた。
時間の無駄と感じたらしい。
「とにかく、もう邪魔立てするな。
私は忙しい。」
わざとらしいくらいの溜息を吐きつつ、
カミーユは歩き出した。
そのあとを、当然ようにヴラドが続く。
その気配に気付いたカミーユの表情がピキッ、と強張り、
睨みつけるように振り返った。
「付 き ま と う な
…斬るぞ。」
最後の一言はかなりの怒気と殺気を込めて言い放ったが、
ヴラドの表情は飄々としたものだった。
「…以前にも言ったがな。十王探しはやめておけ。」
またか。
カミーユは舌打ちしたくなった。
聞き飽きたセリフである。
毎度、十王の手がかりを追って来てはヴラドたちが現れ、
この忠告をカミーユに投げかけてくるのだ。
十王を所有したいのは、ドラグーンの魔法使いたちも同じだ。
ゆえに現場で遭遇すれば、牽制・妨害は当然のこと、
命の奪い合いになることも少なくはない。
なのに、この魔法使いは
相手の命を奪うどころか助太刀に入り、
露骨に妨害してくるわけでもなく
毎回同じ忠告だけをしてくる。
(わけがわからん…)
カミーユは思った。
聞き流し、無視すればよいことなのだが
この魔法使いが【忠告】を言い放つとき、
必ずある種の感情が込められている事を
カミーユは敏感に感じ取っていた。
憐憫。
カミーユにはそれが癪だった。
こちらとしては国と、その民が生きる大地を守る為
命をかけて十王を探しているというのに。
こちらの意欲を削いでくる上
全てをわかったような、
憐みの目で忠告を寄越すこの魔法使いが、
カミーユは大嫌いだ。
畳む
		
	
そして、二人以外に
動くものの気配は無くなった。
銃声の余韻も消え去り
沈黙が落ちる瞬間、
二人は同時に振り返った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
互いに得物を向け合ったまま、数秒睨み合ったのち
最初に口を開いたのは、ヴラドの方だった。
「おたくも頑張るねぇ。
そんな簡易法具で魔境の深部までおつかいとは。
妖素中毒になる前に引き返した方がいいぞ?」
「生身姿の貴様に言われたくはない。
そもそも何故ここいる?
行く先々で現れて、鬱陶しい事この上ない。」
「ご挨拶だな、助太刀してやったのに。」
「頼んでいない。必要もなかった。」
「ま、たしかに。」
強がりではない。
それは周りに転がっている死体の数を見れば明らかだった。
ヴラドが参戦した時には、既にこの半数を
彼女は一人で倒し終えていたのだ。
「相変わらず勇ましい事で」
賞賛とも皮肉とも取れるようなヴラドの言葉を聞き流しつつ、
カミーユは剣を収めた。
時間の無駄と感じたらしい。
「とにかく、もう邪魔立てするな。
私は忙しい。」
わざとらしいくらいの溜息を吐きつつ、
カミーユは歩き出した。
そのあとを、当然ようにヴラドが続く。
その気配に気付いたカミーユの表情がピキッ、と強張り、
睨みつけるように振り返った。
「付 き ま と う な
…斬るぞ。」
最後の一言はかなりの怒気と殺気を込めて言い放ったが、
ヴラドの表情は飄々としたものだった。
「…以前にも言ったがな。十王探しはやめておけ。」
またか。
カミーユは舌打ちしたくなった。
聞き飽きたセリフである。
毎度、十王の手がかりを追って来てはヴラドたちが現れ、
この忠告をカミーユに投げかけてくるのだ。
十王を所有したいのは、ドラグーンの魔法使いたちも同じだ。
ゆえに現場で遭遇すれば、牽制・妨害は当然のこと、
命の奪い合いになることも少なくはない。
なのに、この魔法使いは
相手の命を奪うどころか助太刀に入り、
露骨に妨害してくるわけでもなく
毎回同じ忠告だけをしてくる。
(わけがわからん…)
カミーユは思った。
聞き流し、無視すればよいことなのだが
この魔法使いが【忠告】を言い放つとき、
必ずある種の感情が込められている事を
カミーユは敏感に感じ取っていた。
憐憫。
カミーユにはそれが癪だった。
こちらとしては国と、その民が生きる大地を守る為
命をかけて十王を探しているというのに。
こちらの意欲を削いでくる上
全てをわかったような、
憐みの目で忠告を寄越すこの魔法使いが、
カミーユは大嫌いだ。
畳む
			
			主と下僕と友と友

気が付けば 少年は泣いていた
斬り捨てている敵への情けなど、微塵も無い
だが斬っても斬っても現れる その敵兵の多さに
友の死を望む者の多さに
怒り
悲しみ
そして、
この中へ独り、身を投じていった
友の絶望を思った
その思いに気付かなかった
己の無能さを嘆いた
少年は泣きながら剣を振るう
血を浴びながら友を想う
ただ突き進み
斬り拓き
まっすぐと
友が待つ場所へ
その魂に狂気を纏いながら
少年は疾った。
畳む
		
	
気が付けば 少年は泣いていた
斬り捨てている敵への情けなど、微塵も無い
だが斬っても斬っても現れる その敵兵の多さに
友の死を望む者の多さに
怒り
悲しみ
そして、
この中へ独り、身を投じていった
友の絶望を思った
その思いに気付かなかった
己の無能さを嘆いた
少年は泣きながら剣を振るう
血を浴びながら友を想う
ただ突き進み
斬り拓き
まっすぐと
友が待つ場所へ
その魂に狂気を纏いながら
少年は疾った。
畳む
			
			外れの魔法使い
・どの国にも属さず、勝手気ままに活動しているモグリの魔法使いの総称。
【ドラグーンの魔法使い』の総本山とも言える帝国に離反した
魔法使いがこう呼ばれる場合が多い。
大抵は法を犯し、様々な国でトラブルを招くので
お尋ね者扱いとなっている。
・基本的にお尋ね者なので、生身の格好では姿を現さない。
大抵はクラウンの姿で公の場に現れるので、
素顔や本名は不明である。

◆ウルテスタ
『勘違いしないでちょうだい。
あたしは帝国は嫌いだし、帝国の人間はもっと嫌い。
今回アンタ達と協力するのは、あくまで利害が一致したから。
あんまり調子に乗ってると・・・殺すわよ?』
・魔境を拠点に活動する魔法使い。
赤い帯を頭髪のように垂らした顔が特徴的なクラウン。
オネェ口調の通り、中の人はオカマ。
・ドラグーンの中でも屈指の実力者で、
マスタークラスの弟子を複数持つ 『グランドマスター』
・帝国に対して個人的な恨みがあるらしく、
魔法使いでありながら帝国に属していない。
帝国側も、彼女(?)を屈服させるほどの力も
実力者もいない為、ヘタに手出しができない状態である。
畳む
 
 
 
◆ペナルヅェン
『お初にお目にかかります、閣下。
わたくしの名はペナルヅェン。
貴方様に「選択の道」を奏上すべく、参上いたしました。』
・帝国の魔法使い。
紳士服に、レ●ブロックみたいな頭部を持つ『クラウン』
・口調は丁寧だが、慇懃無礼。性格は真性のゲス。
他のクラウンからの評判もすこぶる悪い。
・頭部は回転式でクルクル回る。人をおちょくる際には特によく回るそうだ。
・独特の人生美学を持っており、相手に対して究極の『選択』を投げかけ
その心の葛藤を眺めるのが何よりも大好き。
・一つのクラウンを二人で動かしている特殊なタイプで、
後頭部にもう一つ、[⁻―⁻]←こんな顔が描かれているが
こちらの顔は滅多に喋らない。
普段、意識があるのか無いのかもわからないので、
通称「眠り目」と呼ばれる顔である。
この二つの人格を合わせて、『ペナルヅェン』である。
畳む
 
◆バルザック
『まぁアンタ等のやり方に口出しするつもりは無いがね。
できればもうちょい穏便に事を進めて欲しいもんだ。』
・帝国の魔法使い。
魔獣のものと思われる頭蓋骨と、
そこから伸びる長い白毛が特徴的なクラウン。
・ドラグーンの間では新参者であり、無名の魔法使い。
クラウンの扱いも不慣れで、よく頭部を落っことす。
・しかし戦闘能力は高く、魔法をはじめ
あらゆる分野に造詣が深い。
・他のクラウンに比べればかなり常識人。
魔法使い、主にクラウンたちのモラルの低さには辟易している。畳む
 
 
●ドゥーガ・ディーガ
『好きにするといい。どうせ止めても無駄だろうし、
無様な失態のツケは、自分で払うのが当然の事。
ただ…今度また、ウルテスタ様の顔に
泥を塗るような事があれば…
わかっているな?…いい子だ。
きっちりカタをつけてきなさい。』
・ウルテスタの一番弟子。三本の角を持った兜が特徴のクラウン。
口調も姿も男性的だが、中の人は女性。
・ウルテスタ自身が手塩をかけて鍛え上げた『三人弟子』の一人。
常に冷静沈着かつ、的確な判断力を持つ。
・放任主義のウルテスタに代わって、他の弟子たちの監督を務めているが
自分と同格である『三人弟子』が持つ弟子たちの面倒まで見てるのは
ちょっと納得できていないらしい。
・師であるウルテスタを崇拝しており、師の為なら命も捨てる覚悟。
常にウルテスタの傍に控える側近でもある。
・弟子にダルフプ、ゴルナダ、アンネロッテを持つ畳む
 
●エルハディミ
『なっはっはっは!いい考えだなぁ、それ採用!
そうと決まれば今やろうすぐやろ……って、
いやん、ディー様いたの~?
ウソウソ、ジョーダン。
俺様がディーの許可も得ずにそんな事するわけないじゃん?
だから怖い顔すんなって~ささ、銃なんてしまって…
ってアダダダダ削れる削れるやめてぇぇぇ(´゚д゚`)』
・ウルテスタ『三人弟子』の一人。
緑ずくめの服と、ゴーグルが特徴のクラウン。
口は上下に開閉するので、カタカタとうるさい。
・弟子の中でも一番のお調子者で女好き。女を見れば脊髄反射でナンパする。
仲間からは『風船アタマ(脳みそカラッポな上に浮き上がるほど軽い)』
と揶揄されている。
・その性格ゆえに自身の弟子たちからも軽く扱われ、
師匠への態度とは思えないほど舐められているが
保有している魔力の容量だけ見れば、ウルテスタに次いで強い。
・女好きゆえに女に弱く、少女だろうが老婆だろうが女は殺さない主義。
かわりに男には容赦無い。
・弟子にピグマ、ミュランカを持つ
畳む

●マーチェンダス
『だから俺は弟子になった覚えはないと
何度言わす気だ、この野郎。
ふざけた寝言も大概にしておけよ、ど突き倒すぞ。』
・ウルテスタ『三人弟子』の一人…と呼ばれているが、
本人をこう呼ぶと高確率でシメられる。
・ボウリングのピンのような丸いフォルムが特徴的なクラウン。
小柄で可愛い見た目に反して、中身はハードボイルドなオッサン。
ドスの効いた低い声で話す。
・魔法使いというよりは、魔法の媒介となる術具を製作する職人。
魔法そのものはド下手で、攻撃は主に物理に頼る事が多い。
故に三人弟子の中で唯一『銃』を持たず、鉄槌を武器としている。
・上等な術具を造り上げる腕を買われて、ウルテスタにスカウトされた。
故に関係は対等であり、三人弟子の中で唯一ウルテスタを呼び捨てしている。
・弟子にカンテラ、ジングーマを持つ
畳む
畳む
		
	・どの国にも属さず、勝手気ままに活動しているモグリの魔法使いの総称。
【ドラグーンの魔法使い』の総本山とも言える帝国に離反した
魔法使いがこう呼ばれる場合が多い。
大抵は法を犯し、様々な国でトラブルを招くので
お尋ね者扱いとなっている。
・基本的にお尋ね者なので、生身の格好では姿を現さない。
大抵はクラウンの姿で公の場に現れるので、
素顔や本名は不明である。

◆ウルテスタ
『勘違いしないでちょうだい。
あたしは帝国は嫌いだし、帝国の人間はもっと嫌い。
今回アンタ達と協力するのは、あくまで利害が一致したから。
あんまり調子に乗ってると・・・殺すわよ?』
・魔境を拠点に活動する魔法使い。
赤い帯を頭髪のように垂らした顔が特徴的なクラウン。
オネェ口調の通り、中の人はオカマ。
・ドラグーンの中でも屈指の実力者で、
マスタークラスの弟子を複数持つ 『グランドマスター』
・帝国に対して個人的な恨みがあるらしく、
魔法使いでありながら帝国に属していない。
帝国側も、彼女(?)を屈服させるほどの力も
実力者もいない為、ヘタに手出しができない状態である。
畳む
 ◆ペナルヅェン
『お初にお目にかかります、閣下。
わたくしの名はペナルヅェン。
貴方様に「選択の道」を奏上すべく、参上いたしました。』
・帝国の魔法使い。
紳士服に、レ●ブロックみたいな頭部を持つ『クラウン』
・口調は丁寧だが、慇懃無礼。性格は真性のゲス。
他のクラウンからの評判もすこぶる悪い。
・頭部は回転式でクルクル回る。人をおちょくる際には特によく回るそうだ。
・独特の人生美学を持っており、相手に対して究極の『選択』を投げかけ
その心の葛藤を眺めるのが何よりも大好き。
・一つのクラウンを二人で動かしている特殊なタイプで、
後頭部にもう一つ、[⁻―⁻]←こんな顔が描かれているが
こちらの顔は滅多に喋らない。
普段、意識があるのか無いのかもわからないので、
通称「眠り目」と呼ばれる顔である。
この二つの人格を合わせて、『ペナルヅェン』である。
畳む
 ◆バルザック
『まぁアンタ等のやり方に口出しするつもりは無いがね。
できればもうちょい穏便に事を進めて欲しいもんだ。』
・帝国の魔法使い。
魔獣のものと思われる頭蓋骨と、
そこから伸びる長い白毛が特徴的なクラウン。
・ドラグーンの間では新参者であり、無名の魔法使い。
クラウンの扱いも不慣れで、よく頭部を落っことす。
・しかし戦闘能力は高く、魔法をはじめ
あらゆる分野に造詣が深い。
・他のクラウンに比べればかなり常識人。
魔法使い、主にクラウンたちのモラルの低さには辟易している。畳む
 ●ドゥーガ・ディーガ
『好きにするといい。どうせ止めても無駄だろうし、
無様な失態のツケは、自分で払うのが当然の事。
ただ…今度また、ウルテスタ様の顔に
泥を塗るような事があれば…
わかっているな?…いい子だ。
きっちりカタをつけてきなさい。』
・ウルテスタの一番弟子。三本の角を持った兜が特徴のクラウン。
口調も姿も男性的だが、中の人は女性。
・ウルテスタ自身が手塩をかけて鍛え上げた『三人弟子』の一人。
常に冷静沈着かつ、的確な判断力を持つ。
・放任主義のウルテスタに代わって、他の弟子たちの監督を務めているが
自分と同格である『三人弟子』が持つ弟子たちの面倒まで見てるのは
ちょっと納得できていないらしい。
・師であるウルテスタを崇拝しており、師の為なら命も捨てる覚悟。
常にウルテスタの傍に控える側近でもある。
・弟子にダルフプ、ゴルナダ、アンネロッテを持つ畳む

●エルハディミ
『なっはっはっは!いい考えだなぁ、それ採用!
そうと決まれば今やろうすぐやろ……って、
いやん、ディー様いたの~?
ウソウソ、ジョーダン。
俺様がディーの許可も得ずにそんな事するわけないじゃん?
だから怖い顔すんなって~ささ、銃なんてしまって…
ってアダダダダ削れる削れるやめてぇぇぇ(´゚д゚`)』
・ウルテスタ『三人弟子』の一人。
緑ずくめの服と、ゴーグルが特徴のクラウン。
口は上下に開閉するので、カタカタとうるさい。
・弟子の中でも一番のお調子者で女好き。女を見れば脊髄反射でナンパする。
仲間からは『風船アタマ(脳みそカラッポな上に浮き上がるほど軽い)』
と揶揄されている。
・その性格ゆえに自身の弟子たちからも軽く扱われ、
師匠への態度とは思えないほど舐められているが
保有している魔力の容量だけ見れば、ウルテスタに次いで強い。
・女好きゆえに女に弱く、少女だろうが老婆だろうが女は殺さない主義。
かわりに男には容赦無い。
・弟子にピグマ、ミュランカを持つ
畳む

●マーチェンダス
『だから俺は弟子になった覚えはないと
何度言わす気だ、この野郎。
ふざけた寝言も大概にしておけよ、ど突き倒すぞ。』
・ウルテスタ『三人弟子』の一人…と呼ばれているが、
本人をこう呼ぶと高確率でシメられる。
・ボウリングのピンのような丸いフォルムが特徴的なクラウン。
小柄で可愛い見た目に反して、中身はハードボイルドなオッサン。
ドスの効いた低い声で話す。
・魔法使いというよりは、魔法の媒介となる術具を製作する職人。
魔法そのものはド下手で、攻撃は主に物理に頼る事が多い。
故に三人弟子の中で唯一『銃』を持たず、鉄槌を武器としている。
・上等な術具を造り上げる腕を買われて、ウルテスタにスカウトされた。
故に関係は対等であり、三人弟子の中で唯一ウルテスタを呼び捨てしている。
・弟子にカンテラ、ジングーマを持つ
畳む
畳む


朦朧とした意識の下で
最初に聴こえたのは歌だった。
何を歌っているのかはわからない。
ただ とてもきれいな声だったので、
ああ自分はとうとう死んでしまって
あの世に来たのだな
と、本気で思った。
自分が住んでいた世界に、
こんなきれいな声はどこにもなかったから。
だからきっと、この世ではない場所に来たのだろうと。
しかし、
次の瞬間に感じた鈍い痛みと
鉛のように重い身体の感覚が、とても現実味があって。
自分が生きていることに気付くと同時に
引きずり込まれるような絶望に襲われた。
まだ、自分は地獄の続きにいる。
死ねなかったのだ。
助けたのは、この傍らで歌っている人間だろうか。
どうして死なせてくれなかった
放っておいてくれたらよかったのに
そう言いたかったが、口から吐き出されたのは
砂の混じった、渇いた呼吸だけだった。
「ん?目が覚めた?」
歌が止むと同時に発せられた声は、
想像していたよりもずっと幼く、やさしい声だった。
『・・・・』
自分は答えなかった。
口が渇いて声が出ないこともあるが、
こういう時、どう答えていいのかが
わからなかったからだ。
「? ・・・~~~♪」
うわ言だと思ったのか、
声の主は再び歌いはじめた。
・・・・
かつて、自分の傍らで
こんな風に歌ってくれる人間がいただろうか。
あんなやさしい声で、
話しかけてくれた人間がいただろうか。
ただただ戸惑って
何故か泣けてきて
再び意識が沈むまで、そのやさしい歌を聴いていた。
ヴラドとアダムの出会い編。
アダムは奴隷として飼われていた町から逃れて、砂漠で行き倒れ。
ヴラドはそのアダムを発見して介抱。
一人遊びの一環として、よく歌うヴラド。
アダムはこんな風に歌を聴かせてくれる人間が今までいなかったので、
ひたすら戸惑う。
そして大人になった頃、その時の感動を延々と語るアダム。
普段無口なくせに、こういう時は活き活きと喋るので
ヴラド忠愛っぷりがちょっと気持ち悪い。
ヴラドはこの手の話になると居心地悪くなって
最後にはキレる。
畳む